ブックタイトルMarugamemachi_Green_Christmas2017

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概要

Marugamemachi_Green_Christmas2017

お二方が通われていたゼミの先生が、1975年から83年まで寺山修司主宰の劇団「天井桟敷」で美術監督だった小竹信節さんということで、お二方は寺山修司の作風から影響を受けていましたか?杉山純[以下S] テイストはかなり違うと思うんですが、よく先生が「安く作れ」みたいなことを言われていて、「捨ててあるものや、身の回りのものを使う」というアプローチの面では大きく影響を受けていると思います。その頃の大学(武蔵野美術大学)には学生がバラした作品がゴミ捨て場にそのままドンと置いてあったんですよね。だから素材には恵まれた環境で。宮澤謙一[以下M] 今はルールが厳しくてあんまりゴミがないんですけど。昔は引っ越しの時のゴミも学校に捨てられていたから(笑)。それで、まだ使えるものは誰かが拾っていくっていう。お二人はそのゼミで出会ったんですか?S いえ、入学した直後ですね。まわりが現役と1浪だらけの環境で、僕たちみたいな2浪の人たちって少なかったから、自然と仲良くなって(笑)。一緒にものを作るようになったのは、芸祭が初めてかな。僕たちを含めた5人でミニ四駆の大会を開催したんです。そこでは、タミヤをパロッたバッグとかステッカーとかTシャツを作って売っていました。M 3年の秋くらいから2人で活動を始めて、同じゼミに入りました。当時、寺山さんのことはあまり知らなかったんですが、小竹先生がとにかく妖しい魅力を放っていたんです(笑)。お二人は小竹先生が提唱されていた「廃材を使う」というアプローチのどこに面白みを見出したんですか?M ものを本来とは別の使い方をすることで、「これを構成しているものたちは元々どういう役割を持っていたんだろう」とか、見る側に想像させるじゃないですか。S 制作物が完成して、後から別の意味が付与されるのが良いんです。かつて誰かが何かのために作ったものを時代関係なく使っていくっていう。だからもはや「廃材」というニュアンスが違うのかもしれない。ではこのゼミを通してmagmaの作家性の根幹ができあがったわけですね。M そうです。卒業制作でおもちゃを組み合わせた巨大な立体物を作ったんですが、ここにmagmaの要素が詰まっていますね。S 例えば、ここで使った冷蔵庫は道端に捨ててあったもので、人形の足はカメラの三脚。あと、後ろはハリボテになっていて、そこに想像の余地を残しています。わざと裏側まで作り込まないということは、magmaは完成度よりも機能のようなものを目指しているんですか?M そうですね……ものに宿る生命感というか。一時期はもうすこし動きがスムーズなほうが良いかなと思ったこともあったんですが、ある現場で別のクリエーターがスムーズに人形の足を動かしているのを見て、自分の求めているものと違うなと(笑)。magmaの作品は壊れそうで下手くそで心配になっちゃうのが良かったのかなと、改めて気づきましたね。なるほど。magmaの作品って不気味でもグロテスクでもなく、誤解を恐れずに言えばすごく明るい。異様なものなのに、パッと光が差している印象があります。S 単純に僕たちが暗い作風が好きじゃないんです。「面白い=楽しい」という世magma杉山純と宮澤謙一によるアーティストユニット。 2008年結成。廃材、電動器具、樹脂などを手作業で組み合わせて創りだす独自の世界観を得意とし、作品制作にとどまらず家具やプロダクト、プロップス、空間演出などのクライアントワークまで幅広く手掛ける。ゆず「終わらない歌」MV、アリーナツアー「TOWA」ツアータイトルデザイン、ステージセットに作品を提供。また、木村カエラ、サカナクション、きゃりーぱみゅぱみゅなどのMVへの作品提供、keisuke kanda新宿店の店舗内装なども手掛ける。昨年、KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭に出展。2017年10月に活動10周年を迎え、ラフォーレミュージアム原宿で大規模な個展を開催した。どこか懐かしさを覚えるアナログ感とクレイジーな色彩が融合した作品群は、国内だけでなく海外からも注目を集めている。www.magma-web.jp卒業制作Magma のアトリエ